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先日、ヘッダービディングで消耗してるの?という記事を書いた数日後にカウンターパンチをGoogleさん(以下Google)が繰り出してきましたw
 
 ※DoubleClick for Publkishers blogに飛びます飛びます

昨年からウワサにあったGoogleのヘッダービディングといわれていた「First Look」です。
私の所属するPubMaticはメディアを運営するパブリッシャー様(以後敬称略)向けに、
複数のヘッダービディングパートナーをラッピングするワンタグソリューションとも言える
「Wrapper Solution」をリリースしたわけですが、
Googleはこのタイミングで以下の2つの機能をリリースしました。

  • DoubleClick for First Look
  • DoubleClick for exchange bidding

このリリースに海外のパブリッシャーマネタイズに関わっている人たちはかなりザワちんでした。
 
Improving yield, speed and control with DoubleClick for Publishers First Look and exchange bidding
 
今回の機能リリースの目的はブログタイトルそのまんま、
パブリッシャーの収益化をスピードとコントロールをもって改善するということだと思うのですが
ヘッダービディング潰しとも思えるこのカウンターソリューション、いったいどうなのか?
個人的にも気になりますのでいろいろ調べておりました。


これは簡単にいえば、
ヘッダービディングソリューション
       VS
ダイナミックアロケーションとチャネル横断の入札を開放したDFPの機能拡張


ということだと認識しました。
これはある意味、Googleがいままで守っていたGoogleに有利なGoogleのエコシステムを
ヘッダービディングというソリューションが打ち破った
と言っても過言ではないのではないかと思います。


それはこの2つの機能が下記を実現することを目的としているからです、
  • 純広告などのハイプライオリティーの広告を含め全てのインプレッションが入札に参加し結果、CPMベースで1番高い広告が配信される(First Look)

  • AdX以外はスタティックだったSSP、エクスチェンジなどのCPMがダイナミックになり
    本当の意味でのダイナミックアロケーションが実現できる(Exchange Bidding) 

コレって客観的に見たら当たり前のことな気もしますけどね。特にPubMaticから見ると。
(どうしていままでそうじゃなかったんだ。といいたいぐらい) 
 
さらに、これらはS2S(Server to Server)で連携しているのでパブリッシャーにタグの追加実装などの工数がかからず実現できるというのもパブリッシャーには大きなメリットだと思います。
先日の記事でも触れましたがやはりヘッダーにタグを実装するだけでもパブリッシャーは負担ですし、
タグを複数追加する度に工数も増えますし、
なによりレイテンシーが悪化(=ユーザビリティーに影響)する懸念は拭えません。
 
今回のリリースによりタグを設置する必要がないというのは、
レイテンシーに対する懸念を払拭する有効なものだと思います。
 
このあたりGoogleが言う、ユーザーエクスペリエンスを妨げずスムーズにパブリッシャーサイドの収益を向上するという点でDFPも進化したなと素直に思います。




ただそれでも、ヘッダービディングはなくならない
と思うのです。
 
 
なぜなら、
1)まず大前提としてこれらの機能が本当に機能するのか?
  First lookはβ版が終わり全アカウントに開放できるようですが、
  ダイナミックアロケーションはまだ限られた一握りのパブリッシャーでテスト中であり、
  また正常に機能するのか?
 不明です。


2)現状S2Sでダイナミックアロケーションに参加するSSP、エクスチェンジが限られている
  いま参加意志を示しているのはR社とI社の2社のみ(前述のDFPブログより)
  もちろんAdXに加え2社(先ほどのR社、I社)がダイナミックに入札に参加できるのであれば
  今よりはパブリッシャー側の収益機会は増えるでしょう。
  しかしそれ以外にもSSP,エクスチェンジはあります。このあたり各社の協力は得られるのか? 不明です。


3)PMPはサポートされているのか
  ダイナミックアロケーションがダイナミック化し競争原理が有効に働いたとしても
  SSP、エクスチェンジ各社で入札できるOpen AuctionではCPMの大幅な向上は期待できません。
  やはりPMPなどのソリューションを活用した高CPM案件が収益化の大きなポイントです。
  そうなると各社のPMPはDFP内で入札に参加できるのか? 不明です。
  ※ ヘッダービディングは可能です
 

4)透明性のあるデータがどこまで開示できるのか
  このようにDFP内での広告配信ロジックにいくらか公平性が出たとしても、
  ブラックボックス化していると言われることの多いGoogleがどれだけ入札データを開示できるのか。
  デマンドサイドからの入札状況やそれに伴う数値についての透明性は保たれるのか? 不明です。


先日の記事でも触れましたが、
ヘッダービディングのソリューションはパブリッシャーが自社のインベントリに公平にデマンドサイドにアクセスさせ、
ウォーターフォールによる機会損失を防ぎつつ高CPMを獲得する手段の1つです。 
さらに海外では複数のヘッダービディングパートナーを競わせ収益化を促進させています。
これには各ヘッダービディング、デマンドサイドの数値を把握し運用していく必要があり、それにはデータの透明性が不可欠です。
この透明性があるからこそパブリッシャーが主導で収益化を進め、ヘッダービディングは発達してきました。


この観点から今回のGoogleのDFPの2つの機能リリースを改めて見直すと
不透明な部分がまだ多い点はさることながら、パブリッシャーが自社メディアのインベントリにアクセスしているデマンドの動向を把握することは難しいように思います。
 
言い換えれば、Google エコシステムの手のひらから出るには至らず、Googleに自社のインベントリを預ける=収益化を依存する構図からは脱却できない

ということです。
これに対しヘッダービディングは昨日今日出てきたソリューションではなく、数年前から議論、導入されてきた有効な実績があります。
 
なのでこのリリースをもって、
おっ、これでヘッダービディングいらないじゃん。
よかったー(^o^)/ タグ入れるのハードル高かったんだよー。

ということではまったくなく,
 
今回のリリースはDFPのパブリッシャー収益機能の拡張と捉え、この機能を活用しつつ
平行してヘッダービディングによるコントローラブルな収益化を目指していくべきではないかと現時点では思います。


例のごとく、この記事はPubMaticに所属しているパブリッシャーのマネタイズを考える、一個人の私見として書いておりますので
お問い合わせはウェルカムですが、記事の内容と所属している会社に関係はございません。