印象
impression = インプレッション

俗に imp(インプ)と読んでいるこのワード。
インターネット広告関連な人たちには当たり前のようにスッと入ってくる
いわゆる「広告の表示回数」という指標のひとつですが、
このワードを翻訳サービスにかけてしまうと「印象」となり文脈の中ではとたんに意味がわからなくなりますw

でもこのインプレッションが広告を見る人達にとってどんな「印象」として残るかどうか?的な形で考えるとあながちズレてはいないなとも思いますね。


さて、我々が取り扱っているインターネット広告は時を追う毎に進化していて、
いまやプログラマティック広告の取引形態のひとつであるRTBというプロトコル(通信上のお約束・手順)、
いわゆる規格で1imp毎にオークション(入札)がおこなわれ、入札に勝った広告が表示されるというシステムが主流になって久しいのですが、
RTB広告とそうでない広告(いわゆるアドネットワーク等)との区別がついてない、
もしくは、そんなの気にしてないパブリッシャー(メディア運営者)が多く、
どうにもこうにもならんなとと改めて思う機会があったので筆をとりました次第です。
厳密には筆はとってないけどw
#ちなみにグローバルSSP(最近はマーケティングオートメーションプラットフォームとご説明)であるPubMaticに所属している私ですが、アドネットワークはプログラマティック広告とは認識していません。
#RTB広告を自社メディア枠に配信するにはSSP(もしくは類する機能)の導入が必須です。

RTB広告の話の前にまず、メディアに設置されている一般的なディスプレイ広告枠の売上構成についてふれておきましょう。
メディア運営者の各広告枠の売上は大きく下記の2つで構成されてます。
  1. 予め決められた期間、想定配信量(impression)に対し固定した金額を対価として受け取るいわゆる「純広」で売る。
  2. 売り切れなかったimpression(いわゆるレムナント=余剰在庫)をアドネットワークやRTB広告、場合によってはアフィリエイトなどで売る。

#パブリッシャーによって、純広以外のレムナントはマネタイズしない(=自社広を出す、もしくは広告配信自体を行わない)という超プレミアムパブリッシャー、マネタイズポリシーが明確なところもありますが、ココではレムナントも何らかの方法でマネタイズするパブリッシャーを中心に考えます。

多くのパブリッシャーはセールスチームが広告主や代理店などに営業をかけて販売してくるわけですが、
みなさんご認識の通り昨今、純広を売ることが難しくなっています。
#注釈がくどいですが、ココではセールスチームがいるもしくは広告(販売)担当がいるという前提で話を進めます。
理由はいろいろあると思いますが、
単純に言えば目的に対して費用対効果が見えづらい、よくないということでしょうか。
なのでここ数年、レムナントの割合はドンドン増えているパブリッシャーが多いんじゃないかと思います。
そうなると純広の販売戦略もさることながら、
レムナントのマネタイズがパブリッシャーの売上のかなりの割合を占めることとなり、
予算(目標売上)も毎年上がっていくパブリッシャーも増えていることでしょう。
個人的にも元メディア運営側にいたので、レムナントに関するマネタイズについてはいろいろやりました。
どの事業者に自社の広告枠から発するimpressionをいかに高いCPMで買ってもらうか。。。すごく重要です。

なのでSSPを導入してそこから配信されるRTB広告だろうが、
アドネットワークだろうがCPMが高ければそんなのどうでもいいというような人がいるのもわかります。
※CPM:広告表示1,000回毎の広告単価。CPM=100円は広告1,000回表示するのに100円かかるということ。
さて、メディア側の広告枠の状況があらかた分かったところで、
まず、RTB広告広告とアドネットワークの違いを簡単に考えてみましょう。
それは広告に対する情報がどれだけあるかに大きな違いがあります。

具体的に言うとRTB広告は前述のように1imp毎に入札をしていくわけですが、
このやりとりにはビッドリクエストと呼ばれる入札に必要なリクエスト(入札単価以外にどこのサイトなのか、広告サイズや広告フォーマット、デバイス情報や位置情報などいろんな情報)を詰め込むことが可能です。
一方でアドネットワークは1impごとに入札することもできません。またこのような情報を抱き合わせて送ることもできません。
(アドネットワークだってCookieとかターゲティングにデータ使ってるよ!とかあると思いますが、
今回の話はソコではないので割愛します)

1つの広告における情報量の違い、わかりますよね?
この部分がアドネットワークはプログラマティック広告ではないというひとつの所以です。
ただパブリッシャーは自社メディアをマネタイズ(収益化)するにあたり
CPMという広告指標しか見てない(ことが多い)ので、RTB広告(プログラマティック広告)に価値をカンジません。
いや、カンジてもどうすればいいかわからない場合が多いです。

一方で広告主サイドであるデマンドサイドは
Cri◯oさんを筆頭に広告ベンダーの努力発展に伴いターゲティング精度は飛躍的に向上し、
RTB広告を配信するDSP各社もしのぎを削っているおかげで
ユーザーは同じような広告に追いかけられる日々です。
スマホが当たり前になり、デバイス情報や位置情報によって広告が出し分けられます。
広告主は欲しいユーザーにだけ広告を見せることができる時代に入っているわけです。
アドネットワークよりも情報量の多いRTB広告の活用も自ずと進み、
広告主は多様なデータを使って更に効果的な広告運用をツール、プラットフォームを通じ
直接的もしくは代理店経由で間接的に管理しています。
1imp毎にこのような情報を持ち合わせながら入札されていることを考えれば、
RTB広告広告における1 impの価値というものに期待が持てるのではないでしょうか。
このようなテクノロジーの活用が広告成果を左右するデマンドサイドにとって
RTB広告広告の価値は認知され当たり前のものとなっています。
現にグローバルではRTB広告の広告配信大きく伸びています。

US display ad RTBRTB spending


パブリッシャーのメディアマネタイズをサポートするPubMaticにおいてもRTB広告を主戦場とし、
そのフィルとしてアドネットワークをパスバック設定することが多いです。


一方、パブリッシャーサイドはどうなってるか?
CPMだけ。

おい!
01

CPMが高ければ、アドネットワークもSSPからのRTB広告も関係ない。
せっかくデマンドサイドがテクノロジーを駆使し手を変え品を変えプログラマティックなアプローチをしてきていてもそんなの気にも留めません。
高いCPMを享受できるようにたくさんの事業者と取引し、広告タグをウォーターフォールに設定し、
当然ながら波のある各事業者のCPMという名の波をサーファーの如く、高い波だけに乗れるように努力しています。
結果レポートを見る頻度を上げ、アドサーバー上でimpressionをアロケート(分割)し、時には事業者に電話をかけCPM交渉をするという作業を繰り返すことがパブリッシャーの広告担当者の役割となっていることが珍しくないです。
まるでデイトレーダーのように。これをパブリッシャー側の広告運用と呼んでいる人たちもいます。
surfing nami

こういうケースの場合、
更にマネタイズを促進させるのにはどうするのでしょうか。
CPMチェックの頻度を上げるのでしょうか。もしくは取引事業者をさらに増やすのでしょうか。
更にウォーターフォールの階層を増やすのでしょうか。

行き着く先はカオスです。

一部のパブリッシャーはその作業にいつしか疲れ1年間(もしくは数年)やってきたけどGoogleでいいんじゃね?
Googleだしときゃよくね?
だって在庫も安定してるしヘンな広告はでないし、なにより平均的にみてもダントツでCPM高いじゃん。

はい。終了〜。
終了

というメディアも珍しくないです。
うわー、1年もやって出た結果がソレ? 最初からそうしてたらよかったじゃん。
だいたいの人はそれ分かってるよねー。
とはクチが裂けても言えません。
もしかして言えるのはそこにひとつの結果を見出したことが成果なのかもしれません。

こういうケースの場合、
その後Googleだけでどうやってマネタイズを促進させるのでしょうか?
サイトのPVはスグには増えません。
広告枠を増やして手っ取り早くimp増やすのでしょうか?
Googleに電話してもCPMの交渉に耳を貸してはくれません。
いたずらに広告枠を増やすと目先の売上は増えるかもしれませんが、既存枠のCPMが下がるかもしれません。

今までのやり方だとやることない。。。
そうなるとやっぱレムナントをマネタイズをするのに工数かけなくていいよ。となって
Googleに絞って浮いた時間を純広の販売にリソースを充てるのかもしれない。
ユーザーデータを解析してあたらしい純広の商品開発を考える時間に充てれるかもしれない。

ここで言いたいのは、
CPMサーフィンしてるパブリッシャーも、Googleにガッツリ依存しているパブリッシャーも
自分の資産であるメディアに
  • どこ広告主の広告が
  • どの枠に
  • どのぐらい規模で
  • いくらで買いにきているのか?
こういった観点は完全に欠如してませんか?
ということです。

この辺りを気にするのは純広チームじゃない?
純広販売するダイレクトチームが考える役割でしょ。
という話なのかもしれません。
レムナントなチームはガイドラインNGな広告がでていなければあとはCPMだけ見ればいいと。

こういう話になると体制的な問題が浮上します。

純広告を売る人とレムナントを売る人が違う。。

純広チーム(ダイレクトチーム)は自社媒体メニューを持って日々ソトを駆けまわっています。
レムナントをマネタイズする人たち(インダイレクトチーム)はナカで掲載可否があらかた担保された広告ネットワークを
できるだけ高いCPMで売りさばく(というか事業者にimpを預ける)ことをしています。
メディアの広告枠は大きくこの2つのチームの活動によって売上が最大化されているハズです。

この2つのチームが分断されてるのが普通。
そういうパブリッシャーが多いです。
でも、これ融合できたらもっとケミストリー起きそうなんですけど。

だってその広告枠が純広専用枠ならいざしらず、
純広が入ってない時はレムナントとしてアドネットワークとかRTB広告とかの広告がでてるんですよね?
だったら一緒に動いてもいいんじゃないかな。
純広とそれ以外という分け方をせずに枠全体、メディア全体の収益を押し上げていく方法。
いまはそれができるんですよ。アドネットワークにはムリだけど。
プログラマティック広告なら。

RTB広告広告は宝の山です(ちょっと言い過ぎか)。
なぜなら、自社の広告インベントリーに透明性を持たせるコトができるからです。
透明性ってなんですかー?
言い換えれば広告のアトリビューションを可視化することができるのです。

具体的には、
自社のメディアの
  • どの枠に
  • どのバイヤー(代理店、トレーディングデスク)が
  • どのDSPを使って
  • いくらで入札して
  • いくらで落札されているのか?
さらに、ある特定の広告主に着目して
  • 入札はあるのになぜ勝てない(広告表示されない)のか?
  • 入札金額が低すぎるのか
  • ブロックリストにかかっているのか
  • 自社のAメディアには入札あるのにBメディアには無いとか
  • A枠には入札あるのにB枠には無いとか
  • AのDSPからはCPM100円で入札しているのに、BのDSPではCPM500円で入札してるとか
  • AのDSPだとウィンレート良いけど、BのDSPはいまいちだねとか
広告主レベルだけでなくDSP、バイヤーレベルでもしかり。

アトリビューションもデマンドサイドでよく聞くコトバかと思いますが、
パブリッシャーサイドでも可能なのです。
このあたりの情報をダイレクトセールスをしている純広チームと共有し、営業戦略練れないでしょうか?
  • この広告主、純広では売れたことはないけれどRTB広告ではめっちゃ買ってるけどなんで?
  • あれ?いつも純広を買ってくれている広告主カテゴリ以外の広告主も随分入札あるね、
    実はソッチのカテゴリの広告主のユーザー属性も合うんじゃない?営業先増えたね?
  • 特定の広告主が長期にわたって毎月20万円ぐらいRTB広告で買ってくれてるけど純広で売れないの?
  • 同じカテゴリの広告主Aがこれだけ買ってくれてるのに競合のBが買わない理由はなんで?
とかなんかイロイロありそうじゃないですか?
こういう自社メディアの販売戦略ってパブリッシャートレーディングデスク的な動きになると思いますが
こんな動きどうでしょう?興味ないですか?

CPMサーフィンしてるより、具体的かつ可能性がありそうなんですけど。

明るい未来
このようにimpressionにおける価値を見出すことができれば、
高CPMを期待してアドネットワークやSSPなどへの在庫の切り売りに時間をかけず、
自社のメディアとユーザーに向き合った広告収益化ができそうな気がするのです。
マネタイズを他社に委ねず、自分達でコントロールする。
そんなことがいまできるハズなんです。
体制の問題とか、予算の付け方とか、そもそもの考え方とかぶち当たる壁はありますが、
今のマネタイズの方法で自分たちで組んだ今年度の広告予算に対してアクションプランいかがですか?
もちろんバッチグー!というところもあると思います。
なかなか難しいと思った方は一度今回の方法も検討してみてはいかがでしょうか。


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